日本の名随筆

今週のお題「読書感想文」

 

日本の名随筆 (1) 花

日本の名随筆 (1) 花

  • メディア: 単行本
 

 昨年まで公立図書館でパートをしていたが、毎日書架整理をしていると、最近の本の傾向が、残虐、イヤミス、殺人、性虐待、いじめというマイナスなオーラをもった作品が多くなってきたことに気が付く。

赤川次郎くらいならまだかわいいし笑えるし軽く読めるが、最近は重くて残酷でなんでこんなに気持ち悪い発想ができるのだろうか、と首をかしげたくなる内容の小説も多い。それに比例するかのように、毎日残酷な殺人事件がニュースに出てくるではないか。

読んだ後に元気がもらえるような本はどれかなー?と探していた。そんな時に見つけたのが、日本名随筆集だ。多分全国の図書館に置いてあるのに、仕事をするまでは全く気がつかなかった。

全部で88巻、明治時代以降の著名人の随筆集。テーマが「祈」「酒」「冗談」などなど1冊ごとに違う。白洲正子さんや、平山郁夫さんやものすごい大物が寄稿していて様々な角度からテーマに合わせて書かれている。

理解できるものもあれば、難解な文章も多い。時代が変わっても、日本人のもつ繊細で優しい純粋な感性は共感できる部分も多い。

どのテーマも内容が濃く、品の良い言葉の羅列や発想で満足感がものすごく上がる本だ。少しずつでもいいから、これからも読み続けていきたい。

 

日本の名随筆 (別巻68) 下町

日本の名随筆 (別巻68) 下町

  • 発売日: 1996/10/01
  • メディア: ハードカバー