子どもが見たおばけ

今週のお題 怖い話

子どもには、大人には見えない物が見えるという。そういう都市伝説は、昔から聞いてはいた。

 

それは、子どもが幼稚園の頃だった。

 

夜中寝ていると子どもがいきなり叫び「ガイコツがこっちを見ていて、庭に逃げていった。怖いよー。」と泣き叫んだ。

 

こちらとしては、「そんな事ある訳ないでしょ。落ち着きなよ。」となだめるしかない。

 

しばらくの間その話は我が家で語り継がれ、うちの子は少しおかしいんじゃないかと、別の心配が頭をよぎったが、いつの間にか忘れてしまった。

 

下の子も幼稚園になり、また夜中に起きて

 

「鬼が、赤い鬼がこっちを見ていた。さっき逃げて行った。」と、わなわなと震えながら泣き叫んだ。

 

「大丈夫だよ。鬼なんているわけないよー。夢だよ夢。」またもや、なだめるしかない。

 

しばらく抱っこしていたが、その後も何かにつけ語り継がれた。

 

我が家は、ガイコツが出たり鬼が出たり、幼稚園生を驚かしてなんて恐ろしい家なんだろう。

 

まさかとは思うが、私には見えない何かが本当にいたのだろうか。

 

今は二人とも元気にすくすく成長し大学生になったが、コロナで大学に行けなくなるまで特に何事もなく穏やかに生活できている。