同じ感想文を2年連続で提出してばれなかった話

今週のお題「読書感想文」

小学校の夏休みの1番憂鬱な宿題が読書感想文だった。

そもそも、何を書いたらいいのか分からないし、賞を取る人は毎年決まっているし書く気がしない。低学年はまだまだ素直なので、本を2,3冊読んだ中から書きやすい本を選んで健気に書いていた。

しかし、高学年にもなるとやっつけ仕事だ。

4年生で「お掃除が苦手なリスのゲルランゲ」という本で感想文を書いた。自分も掃除が嫌いでだらしない、とよく母に叱られていたので掃除の苦手なリスのゲルランゲの気持ちが手に取るように分かり、共感できたからである。そのせいか、結構上手な感想文がかけたようで、今までの感想文の中で1番先生の受けが良かった。

今思えば、優しい先生だったから誉め上手だっただけなのだろう。苦手な読書感想文の原稿用紙の余白を赤ペンでたくさん誉め言葉でうめてくれて、とても嬉しかったのを覚えている。

私はそれを逆手にとり、5年生の夏休みの読書感想文に全く同じ文章を書き写した。担任が代わったから同じ感想文を提出してもばれないだろうし、4年生の担任の先生は他の学校へ転任された。ばれるはずがないし、そこそこ褒められた文章なので恥ずかしくはない感想文として自信が持てる。

そもそも、先生って生徒一人ひとりの感想文をしっかり読んだり記憶したりするはずがないんじゃないか。小5になると悪知恵ばかり働くようになる。そして、ドキドキしながら小4と小5は同じ感想文を提出して、特に何も言われずやり過ごすことができた武勇伝こそが、私の人生で1番の読書感想文の思い出である。

図書館にはゲルランゲの本がまだあるが、Amazonにも楽天ブックスにもないのが残念である。